哀れみはいらない

哀れみはいらない 全米障害者運動の軌跡

ジョセフ・P.シャピロ:著 秋山愛子 :訳 現代書館 1999/12出版

ISBN:4768434185 NDC分類:369.27 価格:\3,300 486p

内容がものすごく濃い本です。まあ、486Pあるので、量も多いですが。

「アメリカはバリアフリーで障害者には暮らし安い国」

というイメージがありますが、「アメリカ障害者法」ADA法=The Americans with Disabilities Act

が1990年にできてから、まだ10年しか経ってないんですね。

それ以前の障害者がどのようなすさまじい扱いを受けてきたのか、この本によって幾分か理解できると思います。

この本には沢山のキーワードが散見されます。

「アクセスは公民権だ!!」(Access is our civil rights!!)P196

アメリカ式アパルトヘイト(障害者隔離政策)P209

メインストリーミング(mainstreaming)P239

分離すれども平等 P239

インテグレーション(integration)(統合)P241

フル・インクルージョン=full inclusion(完全なる共生)P241

セルフ・アドボカシー(self-advocacy)(自分で自分の権利・意見を主張する)P264

電子段差(Electronic Sidewalks) P324

ハイ・テク(高い技術)でありながら、ロー・タッチ(低い感受性)P399

ダブルスタンダード(二重基準、例えば女性と男性にそれぞれ違う道徳や評価等の基準を設け、何の矛盾も感じないこと)P450

ホッケンベリー法則-障害者の能力はいつも過小評価される- P465

唯一の障害は人だけ P466

等々、

色んな新しい知識、考え方、多くの示唆がこの本の中に詰め込まれています。本が付箋だらけになってしまいました。

アメリカでの障害者の闘いは現在も進行中なんですね。 

偏見、差別、分離(隔離)が障害者の未来を、可能性を、奪ってきた現実。

障害者を「自分(=健常者)より劣った人間」として扱う気持ちから生まれる「哀れみ」。

蔑み」と言い換えた方がいいかもしれません。

 

この本の原題は

NO PITY 

「哀れみはいらない 」とは、

「哀れみ=蔑み=差別なんぞいらない、ただ、普通に人として扱って欲しい」

という、人間として必要最低限のささやかな望みなんですね。

 

2000/02/17(Thu)作成

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